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2006年の公益法人制度改革関連3法案の成立により、社団法人・財団法人の設立が、容易になりました。

従来、旧公益法人(旧社団法人、旧財団法人)の設立手続きには、主務監督官庁(国)の許可があることが要件となっていましたが、現在、それらは、一切不要となっております。
株主会社と同じように、法律で決まった諸手続き(公証人による定款の認証後、設立の登記をすること)を完了させれば、原則誰でも、一般社団法人・一般財団法人を作ることができるようになっています。前回の記事で取り上げました「許可主義」から「準則主義」への転換ケースです。

【旧社団法人・旧財団法人の本分】
旧社団法人及び旧財団法人は、社会に何かしらの寄与・貢献をしている活動(公益活動)を行っている人の団体や、公のために支出・役立てられている財産の集合体に、特別に法人格を付与されたものと定義されていました。
株主や会社構成員の利益を、追求する事業を本質とする営利法人の代表格である株式会社とは異なり、旧社団法人及び旧財団法人は、公益活動を行うことが本分であるという認識がありました。そのため、旧社団法人・旧財団法人の設立の条件として、活動・目的の「公益性」が求められました。「公益性」があるかどうかが、社団法人・財団法人の成立を、左右しました。

【「公益性」の判断は、誰が行うもの?】
団体の活動が公益的であるか。そもそも「公益」とはどのようなことを「公益」と呼ぶにふさわしいのか。これら「公益性」の判断は、国(主務監督官庁 ※活動の内容によって区分がありました。例えば、教育関係の活動であれば、文部科学省が監督するなど)が、独占して行っておりました。
公益性があると判断されれば、法人設立の許可が出され、反対に、公益性がないと判断がされれば、許可はされないという取扱いでした。つまり、国の許可がなければ、自由に、社団法人や財団法人を作ることができなかったのです。

【公益活動の担い手の転換】
しかし、何が「公益」にあたるかという「公益性」の判断は、一概に判定をすることは難しく、国が、その判断を独占し、社団法人及び財団法人の設立許可の裁量権の全てを有する手法には、ずっと異論がありました。本来、何が「公益」にあたるかという「公益性」の判断は、社会全体で考えるべきものなのではないかとの疑問があったためです。

また、福祉・教育・経済産業の振興・国防等、公益活動分野の大部分を、歴史的には国が担ってきましたが、社会の複雑化に伴い、国家予算の問題から、それら公益的活動の全てを、国が対処するやり方は、困難になってきました。
公益活動は、利益に直結しないものも少なくなく、(国と並び、社会で大きな力を発揮することができる存在である)営利法人である株式会社等にとって、算入が難しい場合も多いです。
そこで、国・株式会社等に代わる、現代社会において益々必要とされる公益活動の担い手として、「民間の力」を活用しようとする改革が押し進められました。ここで言う「民間の力」とは、人間個人(社会における市民一人ひとり)のことを指していると言われております。
公益活動に熱心に取り組みたいと思う人間が集合して団体を結成。公益用途のお金を募り、財団を形成。それら団体や財団の法人化が、公益活動をより促進させると考え、国の許可制(許可主義)を廃止し、一般社団法人・一般財団法人の設立を容易にする考え(準則主義)を採用しました。

≪参考資料・文献≫
1,「民法Ⅰ 第4版 総則・物権総論」 内田貴 著 東京大学出版会 2008
2,「新基本法コンメンタール会社法1」 奥島孝康・落合誠一・浜田道代 編 日本評論社2010

(続)

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